はじめに
今回は、
算数が苦手、算数が嫌いという子どもたちへ
そして算数が大嫌いだった頃の私へ
おすすめの読み聞かせ絵本を5冊紹介します。
私のおすすめの5冊(4冊と1シリーズ)は、
・渡辺鉄太,南伸坊『ぱくぱくはんぶん』福音館書店,2021年2月
・デミ,さくまゆみこ『1つぶのおこめ さんすうのむかしばなし』光村教育図書,2009年10月
・マシュー·マケリゴット,野口絵美『王さまライオンのケーキ はんぶんのはんぶんばいのばいのおはなし』徳間書店,2010年4月
・中川ひろたか,岡本よしろう『100円たんけん』くもん出版,2016年10月
・オフィス303『メートルのえほん』ほるぷ出版,2016年10月
(「単位がわかる」シリーズの1冊です。他にも「リットルのえほん」など、グラム、面積、体積、時間を扱ったものもあります。)
です。
算数の面白さを少しでも感じてもらえますように。
どうしてこれらの絵本をおすすめしているのか、
下記で紹介させていただくので、もし興味を持っていただけたらお読みください。
私が算数・数学が面白いと感じるようになったきっかけ
私は算数や数学が小学生の頃から得意とは言えませんでした。
大学のセンター試験でも本番で数学ⅠAで23点を取るほど。(数学ⅡBは68点だったのになぜ笑)
さすがにこのままでは就職(教員採用試験)が危ないと、大学時代は公式などを丸暗記して問題を解いていました。
問題が解けるようになると、「解ける」ということが嬉しくて、少し算数・数学を面白いと感じることもできましたが、それでもやはりあまり好きにはなれませんでした。
そんな私が算数・数学を面白いと思えるようになったのは、2015年に東京の21-21DESIGN SITEで行われた「単位展―あれくらい それくらい どれくらい?」という企画展を見に行ったことがきっかけでした。↓の写真は単位展のチケットの半券代わりにもらった紙の1メートル巻き尺です。尺やメートル、フィート、ヤードなども意味と共に示されており、単位をより身近に感じられます。我が家では、通販で何か買うときなど、ちょっとした物や部屋のサイズを測るときに大活躍しています。
もともと美術館や展覧会が好きで、よく巡っていた私。同じく21-21DESIGN SITEで2013年に行われた企画展「デザインあ展」を見てから、すっかり21-21DESIGN SITEの企画展にはまり、「単位展」にも足を運びました。
すると、そこには、様々なかたちで「単位」が存在していました。
濁点1つを1グラムとして、ひらがな50音がすべて錘(おもり)にされ、
「やま」と「うみ」、「かてい」と「しごと」などの重さが比べられていたり、
(仕事より家庭の方が重いことに少し考えさせられました)
身近なもので、ぴったり1センチ、ぴったり2センチというように、
1センチ~100センチのものが探され、展示されていたり。
(工事現場でよく見かける赤いコーンが100センチなのを私は初めて知りました)
本当に面白くて、「単位ってこんなに面白いのか」と驚きました。
また、同時に、私は今まで、算数や数学は丸暗記ばかりで、数が表す「量感」が分かっていなかったために、それらを楽しめていなかったのではないかと気づきました。
算数を楽しむことのできる「量感」。
先に挙げた5冊は、これを感じることができる絵本だと思います。
数の「量感」を知ることのできる絵本
では、先に挙げた5冊を、「量感」という視点で見ていきたいと思います。
渡辺鉄太,南伸坊『ぱくぱくはんぶん』福音館書店,2021年2月
この本は、半分、半分の半分、半分の半分の半分…というように、2分の1の量の感覚を感じることができます。おばあさんがケーキを半分残しておいてと言ったのに、おじいさんが半分、犬が半分、猫が…と、どんどんケーキが減っていきます。小学校低学年の読み聞かせにおすすめの絵本です。
デミ,さくまゆみこ『1つぶのおこめ さんすうのむかしばなし』光村教育図書,2009年10月
この本は、数の2倍の数、乗数の量感を感じられる絵本です。お米1つぶに始まり、
2日目は2倍の2つぶ、3日目はさらに2倍の4つぶ、4日目はさらに2倍の8つぶ…というように
30日間、前日の数の倍ずつお米がもらえます。軽い気持ちで読んでいると途中から驚くべき数に。
2倍を繰り返すとこんなにも多くの数になるのかと、驚きの量感を感じられる絵本です。小学校の中学年以上の読み聞かせにおすすめですが、大人が読んでも面白いです。
また、『1つぶのおこめ』では、量感重視で正確な数を記していませんが、2倍の数の正確な数は
マシュー·マケリゴット,野口絵美『王さまライオンのケーキ はんぶんのはんぶんばいのばいのおはなし』徳間書店,2010年4月
で知ることができます。いきなり数から入ると量感がつかみにくいので、『ぱくぱくはんぶん』『王さまライオンのケーキ』を読んだ後に読むのが特におすすめです。
そして、
中川ひろたか,岡本よしろう『100円たんけん』くもん出版,2016年10月
は、100円という金額に対し、どれだけのものが買えるのかという量感、
オフィス303『メートルのえほん』ほるぷ出版,2016年10月
をはじめとする単位えほんシリーズは、単位の量感を教えてくれます。
メートルのえほんは、1ページごと写真で1mm、1cm、10cm、1mのものが紹介されており、基本的に10倍になっていくので、読み聞かせでは「これが10個あると…」と言いながらページをめくっていました。子どもたちにも人気で、毎回大盛り上がりの読み聞かせとなりました。
おわりに
量感のわかる絵本を面白いと思うのは、私だけではないようで、
子どもたちもこれらの絵本の読み聞かせは大盛り上がりで聞いてくれることが多くかったです。
やはり、「量感」が分かると、数の楽しさが分かるのではないでしょうか。
私は小学生の頃、算数があまり好きではありませんでしたが、大人になった今、こういう絵本たちに出会って、数の面白さを感じられて、すごく楽しいです。
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こういった絵本で数の面白さにぜひ触れてもらえたら嬉しいです。
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